[ 改正消費税について（注意点） ]　

（個人事業者の場合）

●基準期間の課税売上の上限が引き下げになりました　3,000万以下→1,000万以下

改正消費税は平成16年4月1日以降開始する課税期間から適用されます。したがって個人事業者は平成17年分から適用されます。基準期間は課税期間の2年前、つまり平成15年分の売り上げが1,000万超の事業者です。

●納付税額の計算

納付税額の計算方法には、本則課税と簡易課税があります。
売上げの税額から仕入れ税額を差し引いて計算します。

簡易課税制度は、以下の算式で計算します。（一種類の事業のみを営んでる場合です）

　　年間の納税額 ＝ 年間の課税売上高（税抜金額） × 課税額

　　課税額 ＝ 税率（5％） × （１−みなし仕入れ率）

　　みなし仕入れ率（課税率）は以下の業種によって分類されます

業　　種 みなし仕入れ率 課税率
第１種事業 （卸売業） 90％ 0.5％
第２種事業 （小売業） 80％ 1.0％
第３種事業 （農林漁業・建設業・製造業等） 70％ 1.5％
第４種事業 （飲食店業・金融・保険業等） 60％ 2.0％
第５種事業 （不動産業・運輸通信業・飲食店業を除くサービス業等） 50％ 2.5％

　以上により、年間課税売上高（税抜金額）に応じた納付税額を計算すると以下のようになります。
　　（税抜金額 ＝ 税込金額 × 100／105）

年間課税売上高 第1種事業 第2種事業 第3種事業 第4種事業 第5種事業
3,000万円 15万円 30万円 45万円 60万円 75万円
2,500万円 12.5万円 25万円 37.5万円 50万円 62.5万円
2,000万円 10万円 20万円 30万円 40万円 50万円
1,500万円 7.5万円 15万円 22.5万円 30万円 37.5万円
1,000万円 5万円 10万円 15万円 20万円 25万円

※消費税は、仕入れ控除（仕入れ率）以外の控除はありません。事業所得が０や赤字でも売上高に応じて課せられるものです。また業種によっては納税額が大きくなります。今のうちから積立など対応、準備をしておく必要があります。

●申告期限と納付期限

　個人事業者の消費税の確定申告と納税の期限は３月３１日です。
　　（振替納税を利用した場合、納税は４月になります）

●簡易課税制度選択届出の期限（新規課税事業者の経過措置）

「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出期限は、原則として適用を受けようとする課税期間の初日の前日までですが、平成15年度消費税法改正の経過措置で新たに課税事業者となる個人事業者の場合は、その課税期間中（平成17年12月末日）までに提出すれば適用を受けることができます。  
（期限は12月末日ですが、税務署の年末年始休暇がありますのでご注意下さい）  

 ●簡易課税制度選択された方へ

事業区分は業種により1種〜5種に分類されますが、事業の区分は原則として取引ごとに判定し、いずれかに区分することになります。このため、2種類以上の事業を営む事業者は課税売上を事業の種類ごとに区分しておくことが必要となります。  

 ●本則課税制度での申告の方へ

簡易課税を選択しない事業者、また基準期間の課税売上高が5,000万円を超える事業者（簡易課税制度を適用することができません）は、「本則課税制度」で消費税の計算を行うことになりますが、課税仕入れ等に係る消費税額の控除を受けるためには、原則として課税仕入れ等の事実を記録した帳簿及び課税仕入れ等の事実を証する請求書等の両方の保存が必要となります。帳簿及び請求書等は、これを整理し、納税地等に保存する必要があります。