日時
平成25年2月28日 木曜日
場所
千歳館 (山形市七日町)
演目
外郎売
玉櫛笥扇のかなめ末広く
廓の威勢ぞたぐいなき
春の景色の整えば
はや口慣れてうるわしく
小田原名物ういろうは
いらっしゃいませぬかういろう
富士の香匂う紋どころ
系図正しき御家なり
そもそも妙薬のそのいわれ
昔陳のくにの唐人
是を深く秘め置きて
名に響いたる十八番
十八年の天津風
せくなせきゃるな早口づくし
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『外郎売』は、享保三(一七一八)年に、二代目市川團十郎が演じた『若緑勢曽我』の中で扮した役です。
外郎売とは中国から渡来し、小田原で「透頂香」という名薬を売り出して有名になった人の名前で、この薬の効力については色々な説があるのですが、この作品では喉に効き、口の中がさっぱりする薬になっています。
この薬の効力を弁舌さわやかに大道で売り立ての口上を言う様子を「喋る芸」として見せるのが、この芝居です。
もっとも、現存する薬店では外商をする習慣はなく、病気で困っていた團十郎が、この薬で良くなったお礼にこの薬のことを世に知らせたい、という熱意で舞台にかけられました。
長台詞をとうとうと述べる弁舌の芸は古くからあり、荒事の芸の一つになっています。
言葉によって悪霊を鎮める意味があるのです。
二代目團十郎は生来雄弁術に長けた役者で、その芸をこうした設定の役で観客に披露したのでしょう。
このように薬の効用を言い立てる芸ですから、単独で上演されることは少なく、『助六』の中の一役として演じられることが多かったのですが、七代目團十郎は家の芸を集めた歌舞伎十八番を制定したとき『外郎売』を、その一つに選びました。
今回は、「言い立て」の部分、長ぜりふと早口早言葉を一幕の所作に仕上げました。
清元 玉屋
さあさ寄ったり見たり
吹いたり評判の玉屋たまや
あきのう品は八百八町
毎日ひにちお手あそび
子供衆よせて辻つじで
お目にかけ値のない代物を
お求めなされと辿りくる
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今度仕出じゃなけれども
お子様方のおなぐさみ
たまたま来れば人の客
なぞとじらせば口真似の
こだまもいつか呼子鳥
たつきも知らぬきも玉も
いともかしこき御代に住む
江戸の恵ぞありがたき
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華ごよみ
陸奥の春の山形霞城の桜
ヨーイヤサコレワイナー
山形の舞子揃うて賑やかに
ヨーイヤサコレワイナー
ここに極まる楽しさよ
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